
管理栄養士が実践!栄養バランスの良い食事とは?一品で整う炊き込みごはん
「わたしたちのからだは食べたものでできている」――管理栄養士が実践している“ちょっとした食の工夫”を通じて、「え、そうなんだ!」をお届けするコラムです。
今回のテーマは 栄養バランスの良い食事。
基本を確認しつつ、1品で主食・主菜・副菜がそろう実践レシピもご紹介します。
栄養バランスの良い食事とは
健康に暮らすための5大栄養素が毎日の食事に取り入れられていること。
主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせた食事のことですが、実際には毎日2回以上摂取している人が少ないのが現状です。

こんな症状で悩んでいる方は、栄養バランスの乱れ?
5大栄養素の役割
体に必要なエネルギーのもととなる栄養素は 「炭水化物」「脂質」「タンパク質」。
この3つの栄養素で脳と体が動きます。
「ビタミン」「ミネラル」はエネルギー源になりませんが、脳や体の機能を調節して調子を整えます。
「炭水化物」は、エネルギー源となる糖質と、体内で消化できないためエネルギー源とならない食物繊維に分けられます。
食物繊維の多い食材がカロリー(エネルギー)が低い理由です。
1品でバランスの良い炊き込みごはん
材料(4人分)
420kcal(1人分) ※420kcal=メロンパン1個・カップ麺1個・弁当のご飯280gなど
• 米:2カップ(水2カップ)〈炭水化物〉
• 油揚げ:1枚 〈タンパク質〉
• いりゴマ:大さじ2 〈脂質〉
• 生切り昆布:40g 〈ビタミン・ミネラル〉
• にんじん:1/2本 〈ビタミン・ミネラル〉
• しらす干し:40g 〈タンパク質〉
• しめじ:1P 〈ビタミン・ミネラル〉
• 里芋:4個 〈炭水化物〉
• かぼす(好みで)
• A[酒・醤油 各大さじ2]
作り方

- 米と水を炊飯器に入れ30分おく
- 切り昆布をキッチンバサミで長さをそろえる。しめじはほぐしておく。
- にんじん・油揚げは細切りにし、里芋は皮をむき一口大に切る。
- 炊飯器に米・水・②・③・Aを入れ炊く。
- 器に盛り、しらす干し・いりゴマをふりかける。
※塩分:1.5g(1人分)
ここで種明かし!「主食×主菜×副菜」で“バランス”を仕上げる

主食(炭水化物)……1食に1品
ごはん・パン・麺類(そば、うどん、パスタ、中華めん)など体のエネルギー源になるものです。
ただし、摂りすぎると中性脂肪や血糖値が上昇し、肥満や糖尿病の原因となるので注意しましょう。
逆に少なすぎると、脳のブドウ糖が足りなくなり、集中力の低下や無気力の原因につながります。
適量目安(1食):約240kcal
- ごはん:150g(茶碗1杯)/コンビニのおにぎり1個(100g)
- パン:食パン8枚切り2枚、ロールパン2個
- うどん:180g(1玉)
- パスタ(乾):60g(2/3人前)
主菜(タンパク質・脂質)……1食に1~2品
筋肉や血液の材料になります。摂りすぎるとメタボや脂質異常・尿酸値の上昇を招きますが、不足するとだるさや貧血の原因に。
ダイエットでたんぱく質が不足すると、余分な脂肪だけでなく筋肉も落ちてしまいます。
運動を行っている方は筋肉の疲労回復のためにもしっかり摂りましょう。
中性脂肪や悪玉コレステロールが気になる方は肉より魚がおすすめです。
副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)……1食に1~2品以上
野菜・海藻・きのこ類・こんにゃくなど、ビタミンやミネラル・食物繊維が多く含まれる食品で体の調子を整えてくれます。
また、がんや生活習慣病の予防にもおすすめです。
野菜から食べると満腹感が得やすく、ダイエット効果も。
しかも食物繊維の歯ごたえ(咀嚼)で早食いの防止にもつながります。
適量は1日350g以上。1食では120gずつ、小鉢にすると2皿程度。 お味噌汁などの汁物も具だくさんにすればOK。
ただし、漬け物は塩分が多いので副菜の仲間には入りません!


覚え方:先人の知恵「まごはやさしい」

- ま=豆類
- ご=ごま
- は=わかめ(海草類)
- や=野菜
- さ=魚(小魚)
- し=しいたけ(きのこ類)
- い=いも類
今日からできるポイント
✅ 主食+主菜+副菜 をそろえるだけで5大栄養素が自然に整う。
✅ 主食は適量240kcalを目安に、主菜はたんぱく質の適量を意識。副菜は1食120g(1日350g)を目標に。
✅ 覚え方は 「まごはやさしい」。買い物・献立の指針に。
✅ 迷ったら、まずは 「1品でバランスの良い炊き込みごはん」 からスタート!
次回も「え、そうなんだ!」がいっぱいの食の話をお楽しみに!
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