
管理栄養士が実践!腸の健康を支える食事習慣
「わたしたちのからだは食べたものでできている」――このコラムでは、毎日の食事をもっと楽しむヒントをお届けしています。
管理栄養士の私たちが実際に行っている日常の小さな工夫や気づきを通じて、「え、そうなんだ!」を感じてもらえたら嬉しいです。
“下血”そして腸の健康のために、まず知っておきたいこと
下血が頻繁に続くと「体のなかで何がおきているのだろうか?」「病院で診てもらったほうが良いかな?」など不安になります。
“下血”は食べ物の通り道である、胃・小腸・大腸のどこかで出血し、肛門から血が出る状態をいいます。
胃・小腸・大腸の炎症やポリープ、がんが原因となっていることもあるため、まずはかかりつけ医を受診することが重要です。
特に大腸がんは女性のがん死亡率1位、男性でも2位であり、早期は無症状であることが多い病気です。
大腸内視鏡検査への抵抗感から検査を先延ばしにする方もいますが、早期発見・早期治療により完治することも多いため、症状があったらためらわずに検査を受けることが非常に重要です。
また、研究によると、大腸がんの発生は生活習慣とも深い関係があり、日々の食生活の工夫によって予防が可能であることがわかっています。
そこで今回は、管理栄養士である私が日常的に取り入れている、簡単に実践できる食の工夫をご紹介します。
管理栄養士が実践!「食物繊維が手軽に摂れる時短レシピ」
忙しい毎日では、調理時間が取れず、買い物もつい面倒になり、食物繊維が不足しがちです。
そんな時こそ、ストックできる乾物の活用がおすすめです!
【レシピ①】切り干し大根の酢じょうゆ漬け
切り干し大根は買い置きができる乾物の代表格。手軽で便利な食材です。
材料
- 切り干し大根 … 80g
- 合わせ調味料
- しょうゆ … 大さじ2
- てんさい糖(砂糖)… 大さじ1
- 塩 … ひとつまみ(親指、人さし指、中指3本の指先でつまんだ量、約0.8g)
- 水 … 1カップ
作り方
- 切り干し大根を流水でもみ洗い後、水に10分浸し、水気を絞る
- 合わせ調味料を中火でひと煮立ちさせる
- 保存容器に1と2を入れ、冷まして冷蔵庫保存
※1週間程度保存可能。毎日の副菜に便利です。
※好みで、しょうがや一味唐辛子、野菜を加えてサラダ風にもできます。

【レシピ②】寒天ご飯(主食の工夫)
主食に寒天を加えるだけの簡単レシピです。
作り方
- お米をとぎ炊飯器にセット
- 寒天パウダーを入れて混ぜ、通常通り炊飯
※米1合に寒天パウダー約1gが目安です。
ここで種明かし!管理栄養士が「乾物」をすすめる理由
なぜ私が「乾物」をおすすめしているのか、その理由は「食物繊維の量と手軽さ」にあります。 実は、乾物の食物繊維の量は想像以上に多いのです。
乾物の食物繊維量(100gあたり)
- 切り干し大根:21g
- 寒天:79g
- ごぼう(代表的な食物繊維食材):5.9g
切り干し大根や寒天といった乾物は、身近な野菜類に比べてはるかに食物繊維が多く、忙しいときでも簡単に毎日の食卓に取り入れることができます。
さらに食物繊維は、便の量を増やし腸内環境を整える働きがあるため、大腸がんリスクを下げる効果も期待できるのです。
食事で大腸がんのリスクが変わる?知っておきたいポイント
日頃の食生活では次のようなことを意識すると、大腸がんリスクを下げることにつながります。
積極的に摂りたい食品
- 精製されていない穀物(玄米、胚芽米など)
- 魚、大豆製品
- 野菜、きのこ、海藻、豆類
- 種実類(塩・砂糖・油不使用)
控えたい食品・生活習慣
- 肉の過剰摂取
- ソーセージ、ハム、ベーコンなど加工肉
- アルコールの過剰摂取
- 喫煙
まとめ
✅ 下血に不安があったら医療機関を受診する
✅ 食物繊維を乾物で手軽に取り入れて、大腸がんリスクを軽減
✅ 毎日の小さな工夫が、大きな健康効果につながる
私たちのからだは食べたもので作られています。日々の小さな選択が、未来の健康を大きく左右します。
次回も「え、そうなんだ!」がいっぱいの食のお話をお届けします。お楽しみに!