小野田医院

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コラム

管理栄養士が実践!腸内環境を整える簡単レシピで毎日腸活

「わたしたちのからだは食べたものでできている」――管理栄養士が実践する簡単な食の工夫を紹介しているこのコラム。
今回も、「え、そうなんだ!」と思っていただけるような、毎日の食事で無理なくできる健康のヒントをお届けします。
今回のテーマは、実は多くの日本人が悩んでいる「腸内環境の整え方」です。

トイレでびっくり…「血便」が気になったら?

トイレで血を見つけたら、「体の中で何が起きているんだろう?」と不安になりますよね。
肛門から距離的に近い部位の出血では、腸内細菌の分解を受けずそのまま排出されるため鮮紅色の「血便」となります。
出血の色が鮮やかで、下痢や腹痛、発熱が伴なわず、「トイレットペーパーに血がつく」「排便後に痛みを感じる」「座り作業での痛みがストレスになっている」などが繰り返される場合、「痔核」「裂肛」が疑われますので、心配な人は消化器内科、肛門科でご相談ください。
痔は、肛門の周りに過度の負担がかかることで、肛門と周辺の血流が滞って(うっ血して)発症します。
日本人の3人に1人が痔に悩まされているとされ、日本の国民病ともいえます。

痔の主な原因は・・・

  • 便秘
  • 下痢(繰り返す下痢は肛門の皮膚にダメージを与え、雑菌が繁殖する)
  • 立ちっぱなしや座りっぱなしといった長時間同じ姿勢を取り続ける
  • 妊娠や出産 など

痔の予防には、便秘や下痢を繰り返さない腸内環境づくりが非常に大切なんです。
そこで今回は、管理栄養士である私が普段から取り入れている、簡単で手軽な「腸内環境を整えるレシピ」をご紹介します。

管理栄養士が実践!簡単腸活レシピ

食物繊維たっぷりの時短スイーツ「さつま芋と黒豆煮きな粉添え」

さつま芋、黒豆、きな粉は食物繊維が多く、黒豆、きな粉はオリゴ糖が含まれます。

材料

  • さつま芋…中1本
  • 黒豆(市販甘煮)…50g ※シロップも使います。
  • きな粉…お好みの量

作り方

  1. さつま芋はひと口大に切り、水にさらした後、鍋にさつま芋を入れ、浸るくらいの水を入れます。
  2. 1に黒豆を入れ中火で蒸し煮します。
  3. さつま芋に火が通ったら出来上がりです。
  4. 3を盛り付け、好みの量のきな粉を。

ここで種明かし!良い「腸内環境」とは

腸内に存在する菌は、体に良い働きをする「善玉菌」、体に悪い働きをする「悪玉菌」、そのどちらにも属さない「日和見菌」の3つに分けられます。
これらの理想の比率は善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7。一番数が多い日和見菌は、腸内の善玉菌と悪玉菌のうち、優勢なほうに味方する性質があります。
食生活の乱れや睡眠不足、ストレスなど、何らかの原因によって腸内の悪玉菌が多くなると、便秘や下痢といった不調を引き起こすこともあります。
そのため、日々の食事でも腸内の善玉菌を増やす食材を取り入れることが大切です。

食事で良い「腸内環境」を作るポイント

腸内環境を整える2つの食材

「善玉菌」を増やすには、「補菌食材」と「育菌食材」をバランスよく摂ることが重要です。

補菌食材(プロバイオティクス)

補菌食材とは、発酵食品、生きた菌を含む食材のことを指します。
有用菌を直接体内に取り入れることができるため、腸内環境の改善に役立ちます。

  • ヨーグルトやチーズ、納豆、キムチ、味噌、塩麹、甘酒など

塩麹は調味料としても使いやすいため、料理をされる方にはおすすめです。

善玉菌を育てる(プレバイオティクス)

育菌食材とは、善玉菌を育てる食品で、以下の3つに分類できます。

  • 食物繊維が多い食材:大麦、野菜、芋類、豆類、海藻類全般(わかめ、昆布、めかぶ、もずく、のり等)、ネバネバ系食材(オクラ、長芋、モロヘイヤ、なめこ等)
  • オリゴ糖が多い食材:はちみつ、てんさい糖、たまねぎ、大豆製品(豆腐、豆乳、きな粉等)、バナナ
  • レジスタントスターチ(難消化性でんぷん):玄米、雑穀米、大麦、全粒粉やライ麦パン、冷えた炭水化物(おにぎり、ポテトサラダ、マカロニサラダ等)

忙しい人でも簡単に取り入れるコツ

買い置きできる乾物海藻や冷凍野菜を活用したり、普段使う砂糖を「はちみつ」や「てんさい糖」に置き換えるだけで手軽に育菌食材をとることができます。

腸活の効果を感じるためには「継続」が大切

腸内細菌のバランスは1~2週間で入れ替わるといわれているので、今回ご紹介した食材を食べ続けることが重要になってきます。
すぐには改善している実感が得られず、あきらめてしまいがちなのですが、少量ずつでも構いませんので、毎日食べるようにしましょう。

効果がより発揮される工夫

腸内環境はより多くの種類の菌がいることがいいとされています。
1つの食材に偏ることなく、さまざまな食材をバランス良く食べることで、効果がより発揮されます。

  • 味噌汁:味噌(補菌食材)、具材の海藻類やきのこ(育菌食材)
  • ヨーグルト+はちみつ+きな粉:ヨーグルト(補菌食材)、はちみつ・きなこ(育菌食材)
  • バナナやキウイフルーツ(育菌食材)

今日からできるポイント整理

✅ 血便など症状がある場合は、まず医療機関へ相談しましょう
✅ 腸内環境の乱れは「便秘や下痢」を引き起こし、「痔」の原因にもなる
✅ 腸内環境を整えるため、補菌(発酵食品など)と育菌(食物繊維・オリゴ糖)食材を毎日の食事で摂る
✅ 時短レシピで継続的に腸活を続けよう

「わたしたちのからだは食べたものでできている」— 毎日の食事の小さな積み重ねが、健康なからだづくりの第一歩です。
次回も「え、そうなんだ!」がいっぱいの食のヒントをお届けします。どうぞお楽しみに!