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コラム

管理栄養士が教える!梅雨だるを吹き飛ばす “ハッピーセロトニンごはん”

「わたしたちのからだは食べたものでできている」――管理栄養士が実践している“ちょっとした食の工夫”を通じて、「え、そうなんだ!」をお届けするコラムです。
今回のテーマは 梅雨の時期の不調。雨が続くと何となく体が重い、気分が晴れない——そんな “梅雨だる” を、食事と生活習慣でやさしくリセットしましょう。

なぜ今「梅雨だる対策」なのか? ─ 気候ストレスと幸せホルモンの関係

雨が続いたり、急に晴れ間がのぞいたりして気候が不安定で、蒸し暑い日もあれば、肌寒い日もあります。気候によるストレス が大きく関係します。気圧・温度・湿度の変化に心と身体が一生懸命順応しようとしますが、負荷がかかることによってストレスが生じています。
また、雨の日が続くと日照時間が少なくなるので、日光を浴びることで生成される幸せホルモンと呼ばれる 「セロトニン」 が不足します。

セロトニンの分泌量が減少すると?

  • 脳内では様々な神経伝達物質が協調して働いていますが、セロトニンは、ドーパミン(喜びや快楽の増幅)やノルアドレナリン(恐怖や驚きなどの神経の興奮)の働きを制御し、自律神経のバランスを整えて精神状態を安定 させる役割を担っています。
  • セロトニンが「幸せホルモン」と呼ばれるのは、こうした作用により、気持ちを明るくしたり、やる気を高めたり、精神の落ち着きやリラックス効果 をもたらすためです。
  • 夜になるとセロトニンをもとに 睡眠ホルモン「メラトニン」 が作られます。セロトニン不足は 睡眠の質の低下や睡眠不足 につながり、体調やメンタルの不調を招きやすくなります。

セロトニンの分泌量は 食事や生活習慣 により維持できますが、ストレスによって減少してしまいます。脳内でセロトニンが不足しないよう、普段から生活に気をつけることが重要です。

元気を回復! セロトニン食材たっぷり「スープカレー」

材料(1人分)

  • 鶏むね肉:50 g、
  • ナス:30 gタマネギ(みじん切り):20 g
  • カボチャ(くし切り):30 g
  • トマト(くし切り):30 g
  • ブロッコリー:2房
  • 赤パプリカ(くし切り):30 g
  • ショウガ・ニンニク(みじん切り):各小さじ½
  • 〈チキンスープ:200 cc、カレー粉:大さじ⅓、ガラムマサラ・こしょう:適量、ウスターソース・ケチャップ・トマトピューレ:各小さじ1、しょうゆ・塩:各少々〉
  • ヨーグルト:小さじ1レモン汁:小さじ½

作り方

  1. ナスはしま目に皮をむき2 cm厚さの輪切りにして水にさらしてアクをぬいておく
  2. 鍋にオリーブオイル小さじ1をひいてショウガ、ニンニク、タマネギを炒める
  3. 白ワイン大さじ1を入れ、小麦粉小さじ1を加えて具にまぶしつける
  4.  [A] を加えて調味する
  5. 鶏肉、カボチャ、ナス、トマト、パプリカ、ブロッコリーを入れて煮る
  6. 仕上げにヨーグルト、レモン汁を入れる

※大豆煮缶、ひよこ豆、もち麦、キノコ類など好みの具材を加えても。

ここで種明かし! セロトニンを増やす4つの習慣と食材の秘密

スパイスの香りと野菜のうま味が詰まったスープカレーには、トリプトファン(鶏むね肉・ヨーグルト)やビタミンB(ブロッコリー・パプリカ)、腸を整える食物繊維(野菜・豆類) が自然にそろっています。――つまり一皿食べるだけで「セロトニンを《作る》《運ぶ》《整える》材料」を一度にチャージできるわけです。
続いて、ハッピーセロトニンを底上げする 栄養選びと生活習慣のコツ を具体的にご紹介します。

1.セロトニンを作るために必要な栄養素

① トリプトファンを多く含む食品

  • 鶏肉:鶏もも肉、むね肉、ひき肉
  • 卵:全卵
  • チーズ:モッツァレラ、カマンベール
  • 納豆(大豆製品の中でトリプトファンが豊富)
  • 大豆製品:豆腐、高野豆腐、油揚げ、黄な粉、豆乳など
  • 乳製品:牛乳、ヨーグルト
  • ナッツ類:カシューナッツ、アーモンド、ピスタチオ、クルミなど

② ビタミンB₆を多く含む食品

  • バナナ(果物の中で最も多く含まれる)
  • 魚介類:鮭、カツオ、マグロなど
  • 赤身肉:ヒレ肉、レバーなど
  • 玄米、胚芽米、そば
  • ゴマ:黒ゴマ、白ゴマなど

③ 腸内環境を整える

セロトニンの分泌には腸内環境も関係しています。腸内環境を整えるには、食物繊維を含む食べ物を摂って老廃物の排泄を促すことが重要です。

• 海藻類:昆布、ワカメ、モズク、ヒジキなど
• 野菜:大根、キャベツ、ナス、ピーマン、ゴボウ、ほうれん草など
• きのこ類:マイタケ、シメジ、しいたけ、エリンギ、エノキタケ、ナメコなど
• 豆類:ひよこ豆、小豆、黒豆、大豆、おから、グリンピース、そら豆など
• 穀類:胚芽米、玄米、白米、大麦、もち麦など
• 毎日1〜1.5リットル程度の水分を飲む
• トマトジュース:セロトニンと同様の働きを持つGABAが豊富で、緊張やストレスを緩和

2.朝日をしっかりと浴びる

朝の日光を浴びることでセロトニンの分泌が促進されます。窓辺で日光を浴びたり、外出する機会を増やしたりすることも有効です。体内時計を整える効果もあり、睡眠・覚醒、体温、血圧、自律神経など一定のリズムを調整します。

3.深呼吸をする

深呼吸はセロトニンの増加につながります。

4.コミュニケーションを取る

友人や家族と会話する、ペットと触れ合うなど交流することでセロトニンを増やす効果があります。

今日からできるポイント

✅ 梅雨の気候ストレスで不足しやすいセロトニンを食事と生活習慣でしっかり補給
✅ トリプトファン+ビタミンB₆+食物繊維 の黄金トリオを意識して“ハッピーセロトニン”をキープ
✅ 朝日を浴びる/深呼吸/会話やペットとの触れ合いでセロトニン生活習慣をプラス
✅ 管理栄養士直伝 スープカレー は、梅雨だるリセットの心強い味方!

「わたしたちのからだは食べたものでできている」――梅雨の不調も食べ方一つで軽やかに。次回も「え、そうなんだ!」がいっぱいの食の話をお楽しみに!

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