
HDLコレステロールはどれくらいからが危険?
健康な生活を送るためのポイント
「HDLコレステロールは善玉コレステロールだから、高い方が良いんでしょ?」そう思っていませんか?
半分正解で、半分は注意が必要です。
健康診断で「HDLコレステロールが低い」と指摘されても、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、HDLコレステロールの低値は、将来の心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める可能性がある、重要なサインなのです。
神奈川県川崎市宮前区にある小野田医院では、生活習慣病のかかりつけ医として、皆様の健康をサポートしています。
今回は、HDLコレステロールの「危険な値」とは具体的にどれくらいなのか、そしてその低値がなぜ危険なのか、さらにどのように改善していけば良いのかを詳しく解説していきます。
この記事を読んで、ご自身の健康について見つめ直すきっかけにしていただければ幸いです。
HDLコレステロールとは?「善玉」と呼ばれる理由
コレステロールには、大きく分けてLDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)があります。
HDLコレステロールは、血液中の余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す働きをしています。血管の壁にたまったコレステロールを取り除いてくれるため、動脈硬化の進行を抑える役割があることから「善玉」と呼ばれています。
一方、LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割を担っています。しかし、増えすぎると血管の壁にたまってしまい、動脈硬化を進行させる原因となるため「悪玉」と呼ばれています。
どちらも体にとって必要なものですが、この二つのバランスが崩れることで、様々な健康リスクが高まるのです。
HDLコレステロールの基準値と「危険」な目安
一般的に、HDLコレステロールの基準値は以下の通りです。
- 基準値:40mg/dL以上
日本動脈硬化学会が定める「脂質異常症診断基準」では、HDLコレステロールが40mg/dL未満の場合を「低HDLコレステロール血症」と診断します。つまり、40mg/dLを下回ると、危険な値であると認識する必要があるのです。
「少し低いだけだから大丈夫だろう」と軽視されがちですが、この低値が続くことで、将来的に心筋梗塞や脳卒中といった重篤な病気のリスクが高まることが明らかになっています。
HDLコレステロールが低いと何が危険なの?
HDLコレステロールが低い状態が続くと、血管の掃除が十分に行われず、血液中に余分なコレステロールが残りやすくなります。
これにより、以下のようなリスクが高まります。
動脈硬化の進行
HDLコレステロールが少ないと、血管の壁にLDLコレステロールが蓄積しやすくなり、動脈硬化が進行します。
動脈硬化は、血管が硬くなり、弾力性が失われる状態を指し、自覚症状がないまま進行することがほとんどです。
心筋梗塞・脳卒中のリスク増大
動脈硬化が進行すると、血管の内側が狭くなったり、プラークと呼ばれる塊ができやすくなったりします。
このプラークが破裂すると、血栓ができやすくなり、血管が詰まる原因となります。
心臓の血管が詰まれば心筋梗塞、脳の血管が詰まれば脳梗塞や脳出血といった、命に関わる病気を引き起こす可能性が高まります。
その他の生活習慣病との関連
HDLコレステロールの低値は、高血圧、糖尿病、肥満といった他の生活習慣病とも深く関連していることが指摘されています。
これらの病気は互いに影響し合い、動脈硬化をさらに悪化させる悪循環を生み出すことがあります。
HDLコレステロールが低くなる原因と生活習慣
HDLコレステロールが低くなる主な原因は、遺伝的な要因もありますが、多くは日頃の生活習慣が大きく影響しています。
運動不足
体を動かす機会が少ないと、HDLコレステロールの産生が抑制される傾向があります。
特に、有酸素運動はHDLコレステロールを増やす効果があると言われています。
食生活の乱れ
過剰な糖質摂取: 糖質の摂りすぎは、中性脂肪を増加させ、HDLコレステロールを減少させる原因となります。
- トランス脂肪酸の摂取
- マーガリンやショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は、LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らす作用があります。
- 飽和脂肪酸の摂りすぎ
- 肉の脂身や乳製品などに多く含まれる飽和脂肪酸も、過剰摂取はコレステロールバランスに悪影響を及ぼします。
肥満
特に内臓脂肪の蓄積は、HDLコレステロールの減少と密接に関わっています。肥満は、糖尿病や高血圧などの他の生活習慣病のリスクも高めます。
喫煙・過度の飲酒
喫煙は血管を傷つけ、HDLコレステロールを減少させる大きな要因です。また、過度な飲酒も中性脂肪の増加を招き、HDLコレステロールに悪影響を及ぼす可能性があります。
ストレス
慢性的なストレスも、ホルモンバランスに影響を与え、コレステロール値に悪影響を及ぼすことがあります。
HDLコレステロールを増やすための改善策
HDLコレステロールの低値は、日々の生活習慣を見直すことで改善できる可能性が高いです。
ぜひ、今日からできることを実践してみましょう。
適度な運動を習慣にする
最も効果的な改善策の一つが有酸素運動です。
ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどを、週に3〜4回、1回30分以上を目安に行いましょう。
継続することが重要ですので、無理のない範囲で、楽しみながら取り組める運動を見つけるのがおすすめです。
食生活の改善
バランスの取れた食事: 主食、主菜、副菜を揃え、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 食物繊維を積極的に摂取
- 野菜、果物、海藻、きのこ類などに豊富な食物繊維は、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。
- 不飽和脂肪酸を意識して摂る
- オリーブオイル、アボカド、ナッツ類、青魚(サバ、イワシなど)に含まれる不飽和脂肪酸は、HDLコレステロールを増やす効果が期待できます。
- 糖質・トランス脂肪酸・飽和脂肪酸の摂取を控える
- 菓子パン、清涼飲料水、揚げ物などは控えめにしましょう。
- アルコールは適量を守る
- 飲酒は少量であれば問題ありませんが、過度な飲酒は控えましょう。
禁煙・受動喫煙の回避
喫煙はHDLコレステロールを低下させるだけでなく、全身の血管に悪影響を及ぼします。
禁煙は、生活習慣病の予防・改善において最も重要なことの一つです。
適正体重の維持
BMI(ボディマス指数)25未満を目安に、適正体重を維持しましょう。
内臓脂肪の減少は、HDLコレステロールの増加にも繋がります。
ストレスを上手に解消する
趣味に没頭する、リラックスできる時間を作る、十分な睡眠をとるなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
小野田医院での生活習慣病診療
「健康診断でHDLコレステロールが低いと言われたけれど、どうしたらいいか分からない」「生活習慣を見直したいけれど、一人ではなかなか続かない」そんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
小野田医院では、生活習慣病のかかりつけ医として、患者様お一人おひとりの状態に合わせた丁寧な診療を行っています。
血液検査の結果だけでなく、現在の生活習慣、既往歴、ご家族の病歴なども詳しくお伺いし、総合的に判断した上で、最適な治療計画をご提案いたします。
当院では、薬物療法だけでなく、食事療法や運動療法、生活習慣改善に関する具体的なアドバイスに力を入れています。
管理栄養士と連携し、日々の食事内容について具体的な指導を行うことも可能です。
無理なく、着実に健康的な生活を送るためのサポートをいたします。
HDLコレステロールが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください
HDLコレステロールの低値は、決して見過ごしてはいけないサインです。
しかし、適切な対策を講じることで、将来の健康リスクを減らすことができます。
ご自身のHDLコレステロール値が気になる方、またはすでに「低HDLコレステロール血症」と診断された方は、ぜひ一度、小野田医院にご相談ください。
皆様の健康な未来のために、全力でサポートさせていただきます。
ご予約はWebまたはお電話で承っております。
経験豊富な医師とスタッフが、皆様の来院を心よりお待ちしております。
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