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糖尿病

糖尿病とは

糖尿病は、日本人の5~6人に1人が罹患している国民病です(令和元年 国民健康・栄養調査 厚生労働省)。さらにその40%近くの方が、「食事習慣に関心はあるが改善するつもりがない」もしくは「関心もなく改善もしない」と回答しており、これは深刻な問題であると考えられています。

糖尿病と聞いて「尿に糖分が含まれている病気でしょ」と考えている方が多い印象ですが、正確にはそれだけではありません。正確には糖尿病は「インスリンの作用が十分でないためブドウ糖(細胞のエネルギー源)が有効に使われずに、血糖値が高くなっている状態のこと」を表します。

これを放っておくと、血中の糖分により、全身の血管がボロボロになり、さらに脂質が血管内に溜まりやすい状態にもなります。その結果、血管に脂質が沈着することで、血管内壁が狭くなることで、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞と言った命を脅かす疾患に繋がります。

また、腎臓にも悪影響を及ぼすとされており、日本透析学会の資料によると透析となる患者さんの原因疾患第一位は、糖尿病から腎臓が悪くなる「糖尿病性腎症」という疾患です。透析は皆さまの社会生活活動に大きく影響を及ぼすものであるため、その原因疾患である糖尿病にそもそもかからない様にしなければいけません。

糖尿病の初期症状とは

上記のような命に関わる脳梗塞や心筋梗塞の原因疾患であったり、透析になる原因疾患第一位である糖尿病性腎症を発症する可能性の高い糖尿病ですが、実はその初期症状は軽症の場合にはほとんどありません。そのため定期的な健康診断や検診を受け、数値が異常である、要検査が必要であると指摘をされたら、川崎市宮前区の小野田医院までご来院ください。

また、糖尿病は進行すると下記の様な症状が出ます。

  • のどが乾く
  • 尿の回数が今までより多くなる
  • 全身にだるさを感じる
  • 目がかすんでいるように感じる(視力の低下)
  • かゆい
  • 手足の感覚が鈍い、刺すように痛い
  • 体重がどんどん減っている
  • 立ちくらみ
  • 風邪をひきやすい
  • けがが治りづらい
  • 勃起しにくい

上記のような症状がよく起こる方は、すでに糖尿病が進行している可能性があります。そのため一度検査だけでも受診することをおすすめします。

糖尿病の種類とその原因

糖尿病には、主に1型糖尿病と2型糖尿病の2つのタイプがあります。1型糖尿病は、膵臓がインスリンを作るのを止めてしまうため、インスリン治療が必要不可欠な状態です。2型糖尿病は、体内でインスリンが不足している状態ですが、進行すると1型と同じように膵臓が委縮してインスリンが作られなくなり、インスリン治療が必要になります。しかし適切な生活習慣を送ることで改善することができます。

1型糖尿病は主に自己免疫によって生じる疾患ですが、2型糖尿病は遺伝的な要素に過食、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣や加齢といった要因が加わり、発症するとされています。このため、2型糖尿病は「生活習慣病」ともいわれるのです。また、肥満がなくても、内臓脂肪が増える「メタボリックシンドローム」と呼ばれる状態になると発症しやすくなります。

糖尿病が引き起こす合併症について しめじ、えのきで覚えましょう

糖尿病性神経障害(末梢神経障害、自律神経障害) し:神経の問題

高い血糖を放置すると5年で手足のしびれ・ほてり・痛み、立ちくらみ、目の動きが悪くなる、便秘などがあらわれることがあります。障害を受ける神経によって症状は様々です。

また、足の感覚が麻痺して、傷があったとしても気づかずに放置してしまい、足に潰瘍ができて、傷が拡がり足が腐って切断が必要になることもあります。足は清潔に保ち、常に注意を払うようにしましょう。

 

糖尿病性網膜症 め:目の問題

網膜の血管が障害され、目のかすみ、視力低下などがあらわれます。血糖値が高く放置すると、7~10年で失明してしまうこともあります。失明の原因の第2位です。糖尿病の方は少なくとも年に一度は眼科の検査も受けましょう。

 

糖尿病性腎症 じ:腎臓の問題

糖尿病により腎臓が壊れて働きが悪くなると、血圧が上がり、尿中にたん白が出たり、全身がむくむなどの症状があらわれます。高い血糖を放置すると、10~13年で腎不全になることがあります。
なお、腎不全になってしまうと、生命を維持するために人工透析を受ける必要が出てきます。透析導入の原因の第1位は糖尿病性腎症です。

 

末梢動脈性疾患(閉塞性動脈硬化症、糖尿病性壊疽) え:壊疽(えそ)

足の血管の動脈硬化により血流が悪化することで引き起こされます。足やふくらはぎが痛くなり運動ができない、休みながらでないと歩けない(間欠性跛行(かんけつせいはこう))などの症状があらわれます。歩けなくなり、一人で外出ができなくなることもあります。

さらに症状が進むと、潰瘍や壊疽を起こしてしまい、足を切断しなければならない場合もあります。

 

脳梗塞 の:脳の問題

脳の血管がボロボロになり、脳細胞が死んでしまいます。手足の麻痺や言葉が急に出なくなる、ものが二重に見えるなどの症状がみられ、重症の場合は亡くなることもあります。また、血管が完全に詰まっていなくても血流が悪くなり、頭が重い、物忘れがひどい、怒りっぽいなどの症状があらわれますので、これらの症状がある場合は、ただちに医師の診察を受けましょう。

脳梗塞は命にかかわるだけでなく、手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残って一人で生きていけなくなり、患者さんはもちろんご家族の生活にも影響を及ぼします。

 

(急性)心筋梗塞 き:急性の心臓の問題

心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送る血管(冠動脈)の動脈硬化によって引き起こされる病気で、心臓の働きが著しく低下し、生命にかかわることがあります。糖尿病患者さんが心筋梗塞を起こす危険度は、健康な人の3倍以上とされています。
症状としては、胸が締めつけられるような強い痛みがあらわれますが、糖尿病患者さんでははっきりした症状がみられないことがあるため、心電図による検査を定期的に受けましょう。また、息切れしやすい、脈が途切れる、体がむくむなどの症状は、心筋梗塞の前触れの可能性があります。

小野田医院での糖尿病診断方法

尿検査

尿検査は、尿中に糖が含まれているかを調べる方法です。糖尿病では、血糖値が高くなるため、尿中に糖が出てしまうことがあります。糖が検出される場合、糖尿病の疑いがあるため血液検査を受ける必要があります。

 

血液検査

血液検査は、空腹時の血液サンプルを調べることで、血糖値を測定します。糖尿病の診断基準は、空腹時血糖値が126mg/dL以上または随時血糖200mg/dL、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という過去1〜2か月の平均血糖値を示す数値が6.5%以上で糖尿病型と診断されます。初期の場合はブドウ糖負荷試験で診断します。

小野田医院での糖尿病の治療方法

当院での治療

糖尿病の治療の最たる目的は合併症を起こさずに健康な生活を維持することです。そのために体内の血糖値を管理する必要があり、それを『血糖コントロール』と呼びます。それが上手くいっているのか、そうでないのかの指標にしているのが前述したHbA1cです。HbA1cは過去1〜2か月の平均血糖値を示す数値で、この数値を7%未満にすることで合併症が起こる可能性が少なくなることが分かっています。当院では医師による食事運動療法、薬物療法以外に国家資格を持った管理栄養士による栄養指導(食事療法)、補助的な治療として生薬の力を使う漢方治療が受けられます。

 

個別化治療

患者様ごとの背景や治療に対する姿勢を考えて、それぞれに適した治療をご提案いたします。他院で糖尿病治療にかかっていたが、当院で改めて糖尿病治療をしたいという方についても診療を受け付けておりますので、その際はご相談ください。

 

治療継続の重要性

治療によって血糖値がほぼ正常にまで改善しても、糖尿病そのものが治るというわけではありません。治療を中止すると、ふたたび血糖値は高くなってしまう恐れがあります。健康を維持するために定期的な検査と治療を行い、血糖値を正常化し続けることが大切なのです。

糖尿病が疑われる方は川崎市宮前区の小野田医院へ

糖尿病は症状が出てきてからでは、進んだ状態であることが多く、血糖を下げるため薬が多くなったり、注射が必要になる可能性があります。またすでに合併症を発症した場合はもとに戻りません。その際は悪化を防止する治療が必要になります。健康診断や検診で異常がある場合や症状がある場合などは、放置せずに早めに川崎市宮前区の小野田医院の受診をお勧めいたします。

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