労災二次健診
労災二次健診(労働者災害補償保険法第26条における労災保険の二次健康診断給付)についてご説明いたします。
概要・目的
当院は労災二次健診の指定医療機関です。労働環境の激変により、健康に問題を抱える労働者が増加傾向にあります。特に、労働の過重な負荷や精神的ストレスなどにより脳・心臓疾患等を発生し、死亡または障害状態に至ったとして、労災認定される件数も増加している現状です。
脳及び心臓疾患の発症は、本人やその家族はもちろん、企業にとっても重大な問題となっています。
二次健康診断等給付とは、労働者の業務上の事由による脳・心臓疾患の発症を予防するため、労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のうち、直近の結果において、脳・心臓疾患を発症する危険性が高いと診断された方々に対して、脳血管及び心臓の状態を把握するための二次健康診断及び脳・心臓疾患の発症の予防を図るための医師等による特定保健指導を受けることができる制度です。
対象者
一次健康診断(労働安全衛生法に基づく定期健康診断)の結果において、
- 血圧測定
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 肥満度測定
全てに異常所見があると診断された方が対象。
※ただし、全てに異常所見がなくても産業医等の指示に基づき対象となる場合があります。
二次健康診断内容
- 血液検査:空腹時の血糖値・空腹時の血中脂質検査
(LDLコレステロール・HDLコレステロール中性脂肪) - ヘモグロビンA1c(一次健康診断で実施していない場合のみ)
- 心臓超音波検査または負荷心電図検査
心臓の状態をみるための検査です。 - 頸部超音波検査
頸(けい)動脈(頸(くび)の動脈)は、動脈硬化の好発部位と言われており、
頸部超音波検査は動脈硬化の程度を知るためにはとても有用な検査です。 - 尿中アルブミン検査(該当者のみ)
- 保健指導
脳・心臓疾患の発症の予防を図るため、医師または保健師の面接により行なわれる保健指導です(生活指導・栄養指導・運動指導)。二次健診の結果脳血管疾患または心臓疾患の症状がみられた場合は、直ちに治療が必要になるため、保健指導は行われません。
費用
全額、公費負担となるため、自己負担は発生しません。
(この検査は通常30,000円程度かかるものです)
注意事項
- 労災保険に加入していなければなりません。
- 労災保険制度に特別加入されている方(事業主、法人役員、家族従事者など)は対象外となります。
- 既に脳・心臓疾患を発症されている方は対象となりません。
- この労災二次健診は、1年度内(4/1~翌年3/31)に1回のみ受診いただけます。
- 一次健康診断を受診した日から3ヵ月以内に労災二次健診を行わなければなりません。
受診までの流れ
①二次健康診断等給付金請求書(様式第16号の10の2)の記入
- 労働保険番号
- 労災二次健診を受ける方の氏名・住所など
- 事業主様のご署名(印でも可)・捺印
- 労災二次健診を受ける方のご署名・捺印
②労災二次健診の予約
- 指定の医療機関へのご予約となります。午前中朝食を食べていなければ、院内の込み具合にもよりますが、当日でも検査可能です。 お問い合わせください。
③ 検査当日の注意点
- 二次健康診断等給付請求書・一次健康診断結果(コピー可)・保険証を必ず持参して下さい
- 空腹でご受診ください
- 健診日と結果説明および保健指導を受ける日が別日となります。